【イラスト:きりんさん(2013)】
なぜだかきりんには「さん」付けをしなくては落ち着かない。
犬とか猫は呼び捨てなのにきりんや象には敬称を付けないといけないような気分になるのは、やはり何やら後者の方がちょっと偉いんじゃないかという認識があるからだろうか。
確かに後者の方がレアだし、きっと「取引価格」もかなり高いのだろう。そう考えると合点がいくが、さりとてそんなことが頭の片隅にあって自然と彼らに「さん」付けをしてしまう…というのももひとつしっくりこない。
ひょっとしたら「大きさ」なのかも…!と大発見をした次の瞬間に「ありさん」は…?なんて気が付いてしまい、途方に暮れてしまう。
きりんさんとありさんの共通点ってなんだろう…。
サイズや生態は全然違う。食べ物…は、同じものを食べることもあるかもしれないけど、多分関係ない。名前…はひょっとしたら語呂の良さとかあるかもだけど、よく分からない(「いぬさん」とかは語呂が悪い気がする)。
そうして思い至ったのが「(人間の)生活との関連の深さ」だ。
「馴染みがあるものは呼び捨て、あるいは親しみを込めた敬称になる」のではないだろうか。
犬や猫はその辺にいて、飼っている人にとっては家族の一員だったりもするから、呼び捨てや、名前を付けたり、「ワンちゃん」「にゃんこ」なんて呼んだりもする。
一方キリンやアリ(ひらがなが並ぶのもアレなんでカタカナにしてみたが、そもそも両者を同列で表記するの自体ちょっと違和感がある…)は、親しく接する機会が少ないので、「さん」付けをする…(どちらも飼えば名前を付けることもあるだろうが)。
…朦朧とした頭でそんなことを考えながらこんもりと盛り上がった入道雲をサングラス越しに眺める盛夏の頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。暑中お見舞い申し上げます。
2013年 夏
J.F.Kooya
J.F.Kooya
※夏とは何の関係も無いイラスト&内容になったのは、書いている終盤に「あっそうだ暑中見舞いの季節だ」と気が付いて慌ててタイトルと終わりの文句を付け足したからです。